幸せは地獄
普通の日々がそろそろ終わろうとしている
同じマンションの同じ階のおじいさんと、朝出るとき一緒になることが多かった
「今日は風強いですねぇ」
とか
「今日は暖かいですねぇ」
とか何気ない会話をする程度だったけど、張り詰めた環境の中にいた私にとっては、微かな癒しだった
今日もおじいさんと一緒で、エレベーターを降りて出るときに
「行ってらっしゃい」
と言ってくれた
私は
「行ってきます」
って言ったけど、なんとなく今日が最後になるのかなぁと思った
つらいことばっかだったし鬱になりかけてるけど
東京に2年間住んでとてもよい経験になったと思ってる
東京に「行ってらっしゃい」された気分
私は地元から東京に帰るときいつも電車から見える外の風景を見ていた
電車の風景からは田舎で暮らしを営んでる小学生とかおじいさんおばあさんが見えることがある
私はその人たちを見て
いーな、ずっとここでのんびり暮らしてるのかなぁ
なんて思う
それと同時に、東京での忙しい暮らしに憧れていた大学生時代の自分を思い出して、「頑張らなきゃ!!」なんて思ってた
東京なんて高速バスで3時間あれば着く程度だし、そんなに遠い距離じゃない
本当はまだ東京が名残惜しいんだけど、2年間って約束を彼氏としたから地元に戻る
せっかく地元に戻るって言ってるのに彼氏の返事は浮かない
もしかしたら別れちゃうのかもなってそれも覚悟してる
私が目指してるのは専門職だから、もし別れちゃったら、また東京に戻るのもいいのかもしれない
でも東京は忙しいから、千葉とかのがいいかな
都会に出たくても一生地元で生きてる人だっている
憧れの都会ライフを送れて、私はなんだかんだ幸せだったのかもしれない
鬱になりかけたけど
行ってきます!!!